南大東島

白浜港の魅力を船員達が雑談

クジラ
クジラ

これほど入港に神経を使う港は世界でも稀だな。クレーンのオペレーターと我が船のボートの息が合わなければ上陸は叶わない。私はあの断崖に作られた『西港』の構造を詳しく観察してきたい。地形を克服して島を守り抜く、人間の知恵と執念をこの目に焼き付けたいところだ。

シバ
シバ

私は『大東寿司』の甘いタレを味わいたいです…!八丈島から伝わったという、サワラやマグロを漬けにした独特の寿司文化。島で作られる国産ラム酒『COR COR(コルコル)』の蒸留所も外せません!船のディナーで、大東島のラムを使った大人のデザートとかでないかなぁ♪

マンボウ
マンボウ

私は島の地下に広がる世界に興味があります。南大東島は島全体が巨大な鍾乳洞のようなもの。上陸したら、東洋一の美しさと名高い『星野洞』へ向かい、数万年かけて形成された自然の造形美に癒されたいです。

寄港地・白浜港のデータ

使用する主なバース西港・北港・亀池港(風向きによって上陸地点が決定されるため、当日までどこに降りるか分からないのもこの島の特徴)上陸方法:クレーン吊り上げによる上陸(テンダーボートからゴンドラに乗り換え)
着岸可能サイズ着岸不可。沖合に停泊
客船年間寄港数年間1隻〜5隻
開港年・増改築歴1900年:八丈島からの開拓団が上陸・1970年代: 岸壁の整備が進むが依然としてクレーン上陸が主役・現在: 日本で唯一、現在も「クレーン上陸」が日常的に行われる極めて稀有な港湾
※情報は自社調べに基づきますので、詳細を確認したい方は各自治体にお問合せください。

荒波の断崖と、宙を舞うゴンドラが切り開く入港

南大東島への接近は、エメラルドグリーンの浅瀬を期待する旅人の予想を裏切り、深い紺碧の海から数十メートルの断崖がそそり立つ、要塞のような島影から始まります。ハイライトは、船の上から眺める「クレーンによる上陸作業」そのもの。荒波に揉まれるボートから、鉄製のゴンドラがゆっくりと空へ上がり断崖の頂上へと運ばれる光景は、まさに絶海の孤島に挑む探検隊のような高揚感を生みます。上陸し、クレーンから一歩踏み出した瞬間に聞こえてくるサトウキビの葉が揺れる乾いた音と、外界から隔絶された独自の生命力が旅人を迎えてくれます。

サトウキビ列車を追って。レンタカーと原付の周遊アクセス

南大東島にはバスやタクシーがほとんどないため、上陸後の移動はレンタカー、あるいは原動機付自転車(スクーター)の確保が生命線となります。寄港時には島内の数少ない車両がすぐに埋まるため、事前予約がなければ島歩きは港周辺に限定されてしまいます。島は中央が窪んだ盆地のような地形をしており、かつてサトウキビを運んだシュガートレインの線路跡を辿りながら、緑の迷宮のようなサトウキビ畑を走り抜ける体験は、この島でしか味わえないノスタルジーに満ちています。

東洋一の鍾乳洞と、開拓の魂が宿るグルメ

南大東島での滞在は、まず島内最大の鍾乳洞・星野洞へ。大切に管理された洞内には、真っ白で繊細なつらら石が密生し、外の暑さを忘れるほどの静寂と神秘が広がっています。

歴史に触れるなら、ふるさと文化センターや、かつてのシュガートレインの車両展示へ。八丈島から伝わった文化と、沖縄の文化が混ざり合った独特の祭事や方言(大東弁)のルーツを知ることができます。また、海岸沿いの海軍棒プールでは、岩場をくり抜いて作られた天然の海水プール越しに、太平洋の荒波が打ち付けるダイナミックな光景を楽しめます。

グルメでは、甘めの醤油タレに漬け込んだネタと、甘いシャリが特徴の大東寿司が絶品。お土産には、島特産のサトウキビから作られる本格ラム酒COR CORや、大東羊羹、そして島の気象台にちなんだグッズを。

荒波に拒まれた断崖と、その内部に広がる緑豊かな開拓の地。南大東島は、自然の厳しさをクレーンという知恵で克服した人々の逞しさに触れ、日本という国の広さと多様性を改めて感じさせてくれる冒険の寄港地です。

良いところとあまり良くないところ

良いところ

  • 「クレーンで吊り上げられる」という体験自体が旅の最大のハイライトとなる
  • 八丈島(伊豆諸島)と沖縄の文化が融合した食事、芸能、宗教観など、他のどの沖縄の島とも違う風情がある
  • 圧倒的な孤島感

良くないところ

  • 海が少しでも荒れるとクレーン作業ができず、寄港そのものが中止になる確率が非常に高い
  • 観光客が一度に押し寄せると、レンタカーや飲食店、トイレなどのキャパシティがすぐに限界に達してしまう
  • 歩行圏内の見どころの少なさ

アクセスインフォメーション

南大東島

【港名】
西港(にしこう)

【港住所】
〒901-3806 沖縄県島尻郡南大東村池之沢146

MAP地図は岸壁やバースの場合と、港のターミナルなどを指している場合があります。