クルーズの旅と聞くと敷居が高そうだけど・・・

海の上にずっと居たら退屈しそう・・・

クルーズ代金以外に費用が凄いかかりそう・・・

色々とニュースやテレビでも客船のことは
取り上げられるようになりましたが
それでもまだまだ「未知の世界」なクルーズ客船。

船旅は初めて!という初心者から
フェリーに乗ったことはある!という中級者
客船リピーターの上級者にも再発見を目指して

このページでは、ちょっと特殊なクルーズ船上の世界を
Q&A形式で深掘りしながらご紹介しています
ぜひ乗船をお考えの方は事前の予習にお役立てください

予約前や準備の疑問

オプショナルツアーの案内は、大抵は乗船の1ヶ月前くらいを目安にご自宅に届くことが多いです。そこで気に入ったツアーをみつけて、電話などで事前に予約、というケースが一般的です。ツアーの中には400人近くいるお客様相手に、食事や交通の関係で10名限定のツアーなどもありますので、1ヶ月前前後からは出来るだけ郵便受けを確認して、早めの決断で予約すると良いのかもしれません。

予約は旅行会社各社か、クルーズを運行している各船会社からするのが一般的です

旅行会社の場合は、会社によってちょっとした特典を付けたり数%の値引きなどを行っている所もありますが、正直何十万単位の旅行で数千円の値引きやオンボードクレジット5000円は、むしろ少し警戒した方がよいかもしれません。

というのも、どちらにしても「15万円の旅行で5000円を得しよう」というわずか3%強の金額の代償は「ネットですから予約のみでフォローは一切ありません」という対価となるケースが数多くあります。

実際「ネット専門の旅行社で予約したら乗船証が1週間前を切っても届かなかった」という意見や、「乗船後の質問をしようとしたが電話が繋がらない・・・」など、「昨今は旅行会社が倒産して前金が無くなると聞くが・・・」など、万が一のための安心を買うための旅行会社予約が、逆に不安をあおるデメリットになってしまうケースが散見されるからです。

旅行会社で予約する場合は、「無理に数%値引きなどに魅力を感じるよりも、サービスという本質を見極めることが大事です」、これは成功体験に基づくことと思いますので、今まで利用して良かったところや、倒産に巻き込まれる最悪のケースを想定して、バックボーンがしっかりしたところを選ぶのが良いのは間違いありません。

多くの旅行会社があるのでココ!というお勧めは敢えて書きませんが、少なくとも「ネット予約専門」だけは避けたほうが無難です。半年前から予約するのが普通というクルーズ旅行で、1ヶ月前に体調を崩したところで相談にのってくれる可能性はかなり低いのがネットの旅行会社です。ご自身にあった最適な旅行会社を見つけて、細く長くお付き合いをしていくのが良いかもしれません。

客船の船上での疑問

揺れは「海象(天候)」と「船の大きさ」に応じて大きく変化します

10万トンを越えるような大きな客船は、よほどの台風でなければ、ほとんどのケースで揺れを感じません。客船でも小さなもの(数千〜1万トン)だと通常のウネリで大きく揺れを感じます。2万トンを越えてくるとスタビライザー(横揺れ防止装置)などが付いているものが多く、フェリーなどに比べてかなり揺れが軽減され、航路選びと共に安定した航海が見込めます

5万トン〜8万トン程度のミドルサイズのクルーズの場合さらに揺れにくくなりますが、船上の空間が大きくなるにつれ船内の移動には時間がかかるようになり、広い階段などは手摺につかまれないケースなどもあるため一長一短のケースもあります。

不安な方は必須です。酔い止めのポイントは何と言っても「早めに飲むこと」です。飲み薬は効き始めるまでに30分程度かかります。酔い止めを飲んでも気分が悪くなる方は、次の段階として船内クリニックにいくと「酔い止め注射」を処方されます。

それでもダメな場合は寝ているように言われるため、極度に船酔いをする方は、海象の良いコースを選ぶことです。興味のある船を決めて、希望のコースを見ていく際に、「外洋航海時間に無理がないか」、「季節は海象のよい5〜7月を選ぶ(冬の荒れと夏秋の台風の可能性を避ける)」などを考慮することで、揺れを薬などで防ぐのではなく、そもそもほぼ揺れないコースを選ぶことでクルーズを愉しむことができます。

酔い止めで良い物は、というご質問も多いのですが、個人的には「アネロン」という飲み薬がお勧めです。シケた日に海にでた漁師が携える、と言われるほどに効果が強いと言われています。

船にもよりますが、最近は全く厳しくありません。ここまで言い切るのも考えましたが、ドレスコードについて不安を思っている方には厳しくないとお伝えします。少なくとも日本発着のクルーズにおいては間違い有りません。

ただドレスコードがない訳ではなくて、クルーズのコースによってはフォーマルが設定されているものもあります。例えばフォーマルクルーズやオペラクルーズ、記念日クルーズなど、それとなくクルーズの名称からも察しが付きます。

日本発着の海外客船は、一定層の外人(一部の日本人も)は「着飾ることを楽しむ」というクルーズの楽しみ方を知っていて実践しています。そのため、ドレスコードがカジュアルの日でもディナーだけはドレスを着たいと思ったから着る、という方や、インフォーマルの日にタキシードやロングドレスを着る、ということをしたりしています。大切なのは、そういった方の邪魔をするようなダイニングでは、ジーンズや短パン、サンダルを避けるなど、クルーズトラベラーらしい最低限の佇まいです。

ドレスアップが不安な方はパンフレットに事前に表記があるので、「ドレスコード=カジュアル」のものを中心に選びましょう。また日本一周や10日を越えるような比較的長いものでは「インフォーマルなどを時々設定します」。あるいは3ヶ月の世界一周クルーズなどはその長さから、飽きさせないために「ドレスコード=ハロウィン仮装」や「ドレスコード=オレンジ色を身につけるオレンジナイト」、「ドレスコード=スペイン寄港のスパニッシュナイト」などのちょっと特殊なドレスコードもあります。

船によるとも書きましたが、厳しいのは客船カテゴリーで最上級のラグジュアリークラスに位置する客船などでしょうか。逆に全く厳しくないのは「ドレスコードは、フリースタイル」とまで謳うNCL(ノーウィージャンクルーズライン)です。NCLは元々アメリカのクルーズラインですが、現在は香港のゲンティンが買収して以来もフリースタイルの傾向を続けています。

オールインクルーシブとは客船業界では古くから使われている「全部込み!」を表す言葉で「食費・エンターテイメント込みの追加料金なし(客船によりアルコールフリー・レストラン選択可等様々)」のような意味合いです。ラグジュアリークラスの客船に多く取り入れられているサービスですが、客船によって範囲が異なるので注意が必要です。

例えばインターネット料金は別途費用がかかったり、税金の出入国税や港施設使用料などは別途かかる場合が多くあり、海外客船ではチップなども適宜発生するケースがほとんどです。またその一方で、日本国内での発着ツアーに限って、ダイヤモンドプリンセスなどを中心に「チップや税金まで含めたインクルーシブパック」のような商品も出ているため、ラグジュアリークラスではなくても、限りなく乗船後の追加費用がかからないように事前にパック化させてしまうことも可能です。コースが一度出港してしまってからはパックに入れないことがほとんどなので、事前にパンフレットは注意してよく目を通すようにしましょう。
なお、現在、日本船ではオールインクルーシブを謳う客船はありません

日本船(にっぽん丸 / 飛鳥II)には必要ありません。働いている外国人クルーにも、日本ではチップの習慣がないことが研修されていますので、特別な心付けも必要ありません。ただロングクルーズ乗船時などは、毎日のように同じクルーと長い間担当のようにして顔を合わすため、ちょっとポケットに入れてあげたり、寄港地でのお土産を少しあげたりする人も稀にいます。それでも稀で1〜3割程度の方でしょうか。

一方で外国船ではチップが基本的に必要になります。(船により不要と謳うものもあるのでパンフレットはチェックしたほうが無難です)。海外では一日10〜20$程度を目安にする人が一般的です。ただ日本では2014年頃からダイヤモンドプリンセスを皮切りに、日本発着クルーズを行うようになりましたが、そこで「特別なサービスを受けてないのにチップは払いたくない」というクレームや論争が行われ、今ではコースの日数分のチップ代金が、最終日にルームチャージとして自動加算で精算されるようになりました。

さらに2019年頃から旅行会社やジャパネットなどの会社が海外客船をチャーターしてクルーズを行うようになってからは「チップ代は込み」と謳うクルーズ商品も出てきました。その影響からか、2023年現在では、クルーズ会社が日本発着ルーズでは「チップ代+アルコールフリー+諸々で・・・チップスペシャルパック」のようなエキストラチャージをまとめたパックオプションを設定するコースも出てきました。

客船は基本的にペット不可です。乗船に移動を伴う場合は、港付近でペットホテルを利用する方もいます。一方で、フェリーはペット可能がほとんどです。フェリーの場合は、同じ滞在客室に同伴するのではなく、ペット用ゲージにいれて、ペット専用ルームに預けられる仕様が一般的です。

なお、長い区間のフェリー、例えば「オーシャン東九フェリーで東京〜徳島〜北九州」や「太平洋フェリーで苫小牧〜仙台〜名古屋」などにペットと連続乗船する場合は、経由地で散歩させたり出来るサービスがある設定もあります。(普通は連続乗船でも途中経由地で時間が合っても上陸は出来ません)。また稀に東九フェリーなどwithペットルームの設定があるフェリーもあります。

以前は100〜110日間程度の世界一周をロングクルーズと呼んだり、通称ロングと言ったりしていました。なのでロングクルーズは3ヶ月が正解だと思います。

最近では各社とも短いクルーズを中心にしたコース設定が多く、3ヶ月のクルーズを開くのは飛鳥II(とピースボート)くらいになってしまいました。世界一周クルーズとまではいかなくても、オセアニアクルーズやアジアクルーズ、南洋諸国一周など45日間程度のものはセミロングクルーズと呼ばれています。

喫煙は場所限定で許されていることが多く、喫煙所(スモーキングルーム)を持つ船が一般的になっています。客室で喫煙することは基本的には出来なくなっています。以前はアウトサイドのベランダで吸っている人もいましたが、それも禁止の船が一般的になっています。

各船に乗っていると「客室のお水をお飲みいただけます」と表示している船が多い印象です。が、部屋の水道水(蛇口からの水)を飲んでいる人は少数派だと思います。個人的には紅茶や珈琲を入れる時でさえ、ミネラルウォーターを使用しています。

海外客船ではミネラルウォーターは有料でだいたい3ドルくらいかかるのが一般的です。そのため、長めのクルーズでしたらペットボトルをダースで1箱など宅急便で入れると便利です。日本船では部屋清掃時に毎日ひとり2本程度の水が支給されます。また追加でサービスでもらうことも出来る場合があります。これはクルーズ内容により出来ない場合もあるので注意が必要です。

日本船では、水は最低限もらえるので箱で持ち込む方などは少数派です。寄港地でお茶やジュースなどのペットボトルをバランス良く購入して補充しながら楽しんでいる人が、上手な部屋生活を満喫されていると思います。

日本船はありますが、海外客船はラグジュアリークラスを除いて基本的に備え付けていません。ただ外国客船でもスイートなどのグレードを利用すると付いていることがほとんどです。その場合はバスローブも付いています。

また日本船でもステートクラス(一般グレード)とデラックス以上は結構アメニティにも違いがあります。スリッパも底がふかふかしているものが付いていたりするので、満足度はグレードによる差があると思っていて間違いありません。あと、意外にプレミアムクラスの海外客船でも歯ブラシがないこともあるので注意してください。

もちろんですが、船と航路によります。航路が南洋諸国など暖かい寄港地中心だと設備的に暖かめに、アラスカなど寒いところを訪ねる場合は低めに設定していることが一般的です。客室のお部屋は基本的に全館空調で冷暖房がされており、正確な温度設定を行ってもそれ通りの温度にならないことも少なくありません。うまくパブリックスペースとを行き来しながら衣類調節で体温のバランスを保つのも上手な過ごし方です。

現在は外国客船の方が、数字で設定したり緻密に温度設定出来る船が多いですが、それでも正確にその温度通りにならないことも多々あります。個人的には、アウトサイドのベランダがあるお部屋で温度設定を24度など低めにして、窓をあけて海風を感じながら涼む、という環境に悪い過ごし方が気に入っています。

日本周辺の航路でしたらだいたい見られます。少し陸地から離れるとその分通信が途切れ途切れになったりします。フェリーでは電波が弱いのか、日本の海域でも結構途切れてしまいます、が内容は分かる程度が多いです。

海外航路の場合は、日本のNHKだけ見られたり、BBCなど海外チャンネルは映るということも多く、海外に折角来たから海外のチャンネルでも付けておいてみよう、というのも意外とお勧めのすごし方です。

寄港地での疑問

帰船時間は寄港地によって異なります。短い所では午前中だけ外出可能な寄港地があったり、逆に外船などでは朝から夜23:59までOK、というような場合もあります。前日に各部屋に投函される、船内新聞を良く確認して、帰船時間までに戻るようにスケジュールを組むようにしましょう。

結論から言いますと、日本の客船では出港予定時刻を過ぎても待ってくれるのが一般的で、また見つかるまでとことん探してくれることが多いです。一方で、外船は出港予定時刻になると待たずに出港することが多いです。日本を一周するようなクルーズでも、何回もお客様のお戻りを確認する前に出港することがありました。万が一「乗り遅れた場合」には、基本的には次の寄港地まで自力で行けば再乗船することが出来るケースが多くあります。ご心配な方は、念のため当日乗船しているその船のスタッフに確認いただくことをお勧めします。

クルーズプランなどの疑問

世界的にクルーズ客船は3段階にクラス分けされています。

1:ラグジュアリー
2:プレミアム
3:カジュアル

となっており、
合わせてドレスコードについても御確認してみてください。

まず客船会社各社のウェブサイトかデスクに電話をして予約するのが一般的です。

■にっぽん丸→商船三井クルーズサービスデスク
■飛鳥II→郵船クルーズ予約窓口
ダイヤモンドプリンセス→公式サイト

パンフレットに載っているクルーズについてはオフィシャルサイトや運行の船会社から予約ができますが、チャータークルーズについては、チャータラー(船をチャーターしている会社)からしか予約が出来ません。(チャータラーが他の会社に募集を委託している場合は数社から予約可能です)

そのケースも多く、例えば「ジャパネットで行くMSCベリッシマ日本一周クルーズ」というコースであれば、MSCでは予約ができず、ジャパネットで予約をすることになります。MSCでは日本人にあった内容でコース設定が難しいこともあるから、他の会社がオリジナルのコースを作って募集します。というのがチャータークルーズです。

これは外国船に限らず日本船でもチャータークルーズという仕組みは一般的です。例えば、にっぽん丸を最もチャーターしている日立ポートサービスのウェブでパンフレットに乗っていないクルーズを見つけたり、大手のJTBで飛鳥IIのチャータークルーズを探す。など色々と通好みのコース設定が見つかったりすることもあります。

乗船後に聞きたい疑問

まず客船会社に電話をして確認してください。ネット旅行会社では対応してくれないこともありますが、普通の旅行会社であれば、船会社に確認をとって転送対応などをしてくれます。直接問い合わせる場合は下記の連絡先から問い合わせれば応えてくれて見つかることもあります。

■にっぽん丸→商船三井クルーズサービスデスク
■飛鳥II→郵船クルーズサービスデスク

できる限り忘れ物はしないのが一番ですが、忘れた場合にもまずは滞在していたキャビン番号や使用していたベッドなど出来るだけ細かく覚えておき伝えることが大切です。

その他のハテナ

それぞれ個々人の趣味なので難しいところですが、普段いつも「終日航海日があるクルーズ」と応えています。それは、クルーズに折角乗ったのに船上の印象が薄くて印象に残ったのは訪れた寄港地だけだった、というのではもったいないからです。船の上を愉しんでこそクルーズです。まずお勧めは終日航海日のあるクルーズが筆頭にあがります。

あとは、スケジュールでだいたい行けるクルーズ自体が絞られることも多々あります。例えば岩手県に住んでいらっしゃったら、当然横浜港から出るクルーズより大洗港から出るクルーズのほうがお勧めです。他にも新潟発着や金沢発着など地方発着はその県にお住まいの方や隣県の方には願ってもない話ではないでしょうか。

そして、その上で条件を満たすクルーズがいくつかある場合は、パラパラとパンフレットを眺めていて日程と内容で直感的に引かれるものが良いと思います。最後に一泊二日のクルーズはあっという間に終わってしまいますので、出来れば2泊、ないし3泊程度はするクルーズのほうが、船旅らしさを味わえると思います。